筒井康隆ラノベを書くそうだ。
前になにかの対談でいってたけどやはり本気だったのか。


ところでこの場合のラノベとは何を指すのだろうか?
ライトノベルの定義についてはいろいろあって語りだすとぐだぐだになるのだがそれでもあえて論じてみる。


おれの考えでは基本的に小説とラノベの間で中身にたいして違いはない。
両者を分けるのは売り方の違いである。
中身よりも入れ物の問題なのだ。
ラノベは特定の層に向けて特定の売り場で売られる商品である。
そのため商業的に成功するためにさまざまな制約が作家に課せられる。
イラストで手にとってもらえるようにかわいい女の子を出したり書店の棚を占有しやすいように無理やりシリーズ化したり読者の読解力を考慮して難しくしすぎないようにしたりといったようなことが。
作家はそれらの制約のなかで作品を作り上げねばならない。
いくつかの制約を無視してもすべての制約から自由になることは難しい。
入れ物が中身を規定するのだ。


というわけで筒井康隆だが本当にラノベが書けるのだろうか?
あれだけえらくなってしまうと制約なんて何もないのではないか。
どんなものを書いても編集者が掲載を断れるとは思えない。
それでもラノベを書くとすれば「筒井康隆の考えるラノベという制約」が必要になるだろう。
それがどんなものかは作品を読んでみるまでわからないが。


まあ面白ければなんでもいいです。