サンドマンの日本語版と比較する。

Absolute Sandman Volume One

せっかくなので日本語版と比べてみた。
ほんとはオリジナルと比較したいのだが無いものはしかたがない。


まずはカラーリングから。
Absolute Sandmanでは #1 から #18 までの彩色が変更されている。
#19 以降の彩色パターンに合わせたらしい。*1
全体的に抑え目で現実的な配色でありグラデーションが多用されている。
オリジナルの大胆な色調とどちらが好ましいかは意見が分かれるところだろう。
最初の #1 あたりでは地味な印象しか受けずこれは失敗かなーと思ったが。
#4 の地獄のシーンになると抑えた色調によって迫力が増したように感じられた。
オリジナルには独特の面白さがあると思うが全体的に変更はプラスかな。


次に気づいたのは、日本語版と Absolute Sandman とでは絵が1ページずれている章があることだ。
どういうことかというと、日本語版で左のページにあった絵が Absolute Sandman では右ページにあったりするのだ。
おれはアメコミにくわしくないのでわからないのだが
こういうことはよくあるのだろうか?
さすがに見開きの一枚絵のある章では同じようになっているのだが、
スケアクロウ*2の登場シーンがずれていたりするので困る。
どこで切るかによって演出の効果が変わってくるからだ。
オリジナルに忠実なのははたしてどちらなのか?
このページを見た奇特なアメコミの人がいましたら教えてくださると助かります。


あと面白かったのが翻訳のうまさ。
英語の原文をみると思ったより長いセリフが多い。
そのまま訳すとだらだらして読めなくなるのではないかと思う。
そこをプロの技でバッサリ切り落としてかっこいい日本語にしているのが分かった。
やっぱ翻訳者はこうじゃなくちゃなー。

*1:#19 とは日本語版の第5巻第3章「真夏の夜の夢」のこと

*2:バットマンからのゲストキャラ。元精神科医にして恐怖の研究者