確率のはなし その4

確率のはなしは今回で終わり。
もう飽きました。


最後のお題はST向け。「継続行動したいんだけど合計でいくつサイコロ振ればいいの?」である。


継続行動とは

達成するためには時間の必要な行動。
プレイヤーは作業の進行局面ごとに成功を蓄積していき、必要とされる成功度を蓄積したら作業は成功となる。


(WoD日本語版コアルールP41より引用)

である。
まあ、何度も判定を繰り返して、その判定の成功を合計していき、
合計が目標に達すれば成功ということだ。


合計でいくつサイコロを振ると成功するのか。
これは一見簡単な問題にみえる。
サイコロ一個あたりの期待値はわかっている。
確率のはなし その2でも述べたように通常はサイコロ一個あたりの成功数の期待値は3分の1である。*1
これで目標の成功数を割ればどのくらいサイコロを振ればいいか分かるだろう。
たとえば目標が15成功度ならば合計で45個サイコロを振ればいいというわけだ。
これは正しいだろうか?


普通はこれでよい。
しかし上の方法は平均的な出目が出たときのことしか考えていない。
世の中には運のいいやつと悪いやつがいる。
サイコロ運の悪いプレイヤーだと普通の人間の何倍も判定を行ってやっと継続行動が終わるかもしれない。


運のいいとき悪いときで必要なサイコロの数がどのくらい変化するのか。


今回は出目のばらつきが偏差値30の場合と70の場合を計算した。*2
偏差値30〜70の間の出目が出る確率は約95%なのでこれくらい考えておけばおおよそのケースには対応できるだろう。


まずは偏差値30の不運な場合。
N は目標の成功度。n は必要なサイコロの数。

N: n
5: 34
10: 54
15: 73
20: 91
25: 109

次に偏差値70のラッキーガイの場合。

5: 6
10: 16
15: 27
20: 39
25: 51

まあこんな感じだ。


というわけで確率のはなしはおしまい。
WoD はサイコロの振り方が特殊な分どのくらい成功しやすいのか実感が持ちにくいのではないかと思う。
おれの適当な記事が数値的な感覚をつかむために少しでも役に立てばさいわいである。


以上。

*1:ちなみに9の振り足しのときは8分の3。8の振り足しならば7分の3

*2:計算法は省略。期待値と分散さえ分かればあとは2次方程式を解くだけ